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4%ルールについて②

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こんにちは!あざらしです。
前回に続き「4%ルール」についてお話しできれば思います!

本日のトピック
  • 4%ルールについて②
4%ルールについて②

前回の記事はこちらです。
前回は4%ルールの根拠と資産取り崩しに関する研究のご紹介をしました。

4%ルールについて①
こんにちは!あざらしです。本日は、次回との2回に分けて「4%ルール」についてお話しできれば思います! 本日のトピック 4%ルールについて① 4%ルールについて① 先日下記の記事で「4%ルール」について触れさせていただきました。でも、そもそも...

この4%ルールは米国での研究結果によるものですが、日本人の我々がそのまま利用することはできるのでしょうか?
結論からお話すると、前提条件の違いを理解すれば十分利用できると考えています(ただし、4%としている数字の修正が必要となるかもしれません)。
米国と日本では、税体系や生活コストは異なりますので、そのあたりを検討してから、当該ルールを利用するようにしましょう。

日本人の我々が考慮しておくべきことは、下記のようなことが考えられます。

  1. 税率(マイナス要素)
  2. 運用コスト(マイナス要素)
  3. 為替リスク(?)
  4. インフレ率(?)
  5. 年金(プラス要素)

まずは、1.税率の違いです。日本では株式や投資信託・ETF等の売買によって生じた利益に対して約20%の税金がかかります。一方で米国では売買利益に対する課税はありません。
そのため、生活費を一定とすると、税率分余分に資産を保有する必要があり、マイナス要素となります(単純計算で1.25倍の資産が必要)。

次に、 2.運用コストです。保有資産については、投資信託やETFなどでの運用を考えられる方が多いと思いますが、これらには一定の運用コストがかかります
一般的には、投資信託>ETFで運用コストがかかります。例えば、インデックスファンドへの投資信託では、0.1-0.2%程度の運用コストが発生します。
この点でも同じく資産を余分に持つ必要があります(マイナス要素)。

3. 為替リスクについですが、これは想定することが非常に難しい項目です。米国株式に投資をする場合、為替ヘッジなしの商品であれば為替の影響を受けることになります。為替が円安ドル高に進めば、資産としては日本円ベースで大きくなりますし、逆に円高ドル安に進めば、保有資産は毀損します(積み立て段階で円高、取り崩し段階で円安が理想ですが…)。
あくまで私見ではありますが、日本自体が少子高齢化により人口が減少基調であること、デジタル化を含む生産性向上に乗り遅れていることを踏まえると、残念ながら経済力を大幅に高めることは想像しにくいです。その場合、米国との経済力格差は広がり、長期的には円安ドル高になるのではないかと考えています。
そのため、当該項目はFIREに向けてはプラス要素なのではないかと考えています。

続いて、4.インフレ率の違いについてです。最近米国のインフレがすごいことになっていると話題になっています。直近の高インフレについては、いずれ終息するとは思いますが、この高インフレ状態が発生する前でも、米国と日本ではインフレ率に大きな差がありました。過去40年間のインフレ率で比較すると、米国では約3%であるのに対し、日本では約1%となります。その差は2%です。
インフレ率が低いということは、生活費の増加が抑えられますので、過去の実績だけをみるとFIREを目指す上でプラス要素となります。ただし、これは為替リスクとも密接に関係しており、仮に前項の通り円安ドル高が進むとすると、食料自給率が低く輸入に依存する日本の食卓においては、マイナス要素ともなりえます。すなわち、為替リスクとインフレ率は表裏一体となる可能性があります

最後に、5.年金についてです。4%ルールでは年金について考慮されていません。しかしながら、日本では65歳からサラリーマンは厚生年金、自営業・フリーランスの方は国民年金を受給することができ、金額の多寡はともかく一定の額の収入を確保することができます。
FIREを目指す場合、年金の支払いは現役時代よりは減額・免除することになると思われますが、それでも一定の金額を確保することはできますので、FIREを目指す上でプラス要素となります(ちなみに米国でも年金制度はありますが、66-67歳からの受給となりますので、少し日本の方が有利です)。

日本人がFIREを行う上で、影響を与えそうな要素を5点ご紹介してきました。
為替リスクとインフレ率は相殺すると考えると、税率の違いにより-0.3%、運用コストによる-0.2%についてはマイナスの要素であり、この点は修正が必要そうです。すなわち4.0% -0.3%-0.2%=3.5%程度が妥当ではないでしょうか。ここには、年金による収入は入っていませんので、自身の年金受給額、年金受け取りタイミングに応じてFIREの計画を立てていく必要がありそうです

年金の受け取りシミュレーションについては、ねんきんネットから行えますので、一度計算してみることをお勧めいたします(いついつまで働いたら年間いくら貰えるというシミュレーションができます)。

以上、2回にわたって4%ルールについて書かせていただきました。
次回は、現在のあざらしの資産状況(8月末時点)についてご紹介できればと思います。

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